vol.4 メキシカンジャイアント colorata 'Mexican Giant'
今日も白粉系をご紹介します。メキシカンジャイアントです。名前のごとく約30cmくらいまで成長する大きな白粉系エケベリアです。羽兼さんの本よれば、日本には二和園の向山さんが1990年代に導入し、2012年頃から一般に普及しはじめたとあります。ということで比較的新しいエケベリアなのです。ただ、このエケベリアの素性も正直なところイマイチよく分からないんですよね。
白粉が落ちていて見た目はイマイチですが、元気に育ってくれていそうなのでよしとしましょう。下葉からほんのり薄ピンク色になって紅葉してきました。
二和園さんのレビューはこちら。
brooklynlifehack.hatenablog.com
メキシカンジャイアントは、成長がゆっくりとされていますが、わが家は肥料も水も多めに与えているためか、約3年で2号ポットから5号素焼鉢まで育ちました。上記とは別苗ですが、こんな感じで成長しました。
このあたりは、見ためとスペースを取るか、大きく育てるかという栽培方針によって変わってくるとは思いますが。
私は雨水栽培がエケベリアの生育に良いのではと感じていて、今年から白粉系でもほぼ雨ざらしにして管理しまっていたこともあって、粉もだいぶ剥がれ、葉も開いていて見た目は悪いですが……。
このくらいの大きさになると、仔吹きしてくれます。昨年は2つ、今年は今の段階で1つできているかな。
さて、ここからは少々よく分からない話になります……(^-^;
ざっくりとした曖昧な感じで申し訳ないですが、メキシカンジャイアントを調べてみるとこんな感じです。時は2004年頃の話。
長年にわたり多肉界を牽引され、殊にエケベリア界の権威として多大な影響力をもっていたアメリカの植物学者・園芸家のマイロン・キムナックさん(Myron William Kimnach,1922-2018)が、メキシカンジャイアントはコロラータの原種の一つであるcolorata fa brandtii(コロラータブランディー)と密接に関連していること、南オーストラリアの業者が1997-98年のカタログに説明付きで発表したのが最初で、その時の名が'Mexican Giant'であったことからこれを有効な名前として採用し、colorata 'Mexican Giant'としてリストするように提案したとのことです。
大きさや紅葉の感じは異なりますが、なんとなく雰囲気は確かにブランディ―に似ているよう思います。ただ、原産地がいまだに不明であること、コロラータの花とは異なることなどもあって、原種としては認定されていません。おそらく栽培品種なんだろうと思います。
キムナックさんの人となりについてはこちらの追悼記事をご参照下さい。
キムナックさんは、エケベリア界にとって有名なハンティントン植物園Huntington Botanical Gardens のディレクターも務められていました。エケベリアに「ISI ○○」とナンバーがふられていることがありますよね。これはハンティントン植物園が配給したエケベリアの管理番号なんです。たとえば、agavoides系のマリア Maria は ISI 92-45、フランクレイネルト Frank Reinelt には ISI 1467という番号が付いています。
前回のラウイ同様、エケベリア好きは揃えておきたい品種の一つです。
*エケベリア紹介 バックナンバー
vol.1 東雲 vol.2 相府蓮 vol.3 ラウイ