これだけの原種・ハイブリット種を収集して、一つ一つにコメントを付していくという膨大な知識量と仕事量。おそらくこれだけのエケベリアが掲載されている図鑑は世界中を探してもないでしょう。それなのにこの価格。エケベリアファンなら(必ず)持っておくべき図鑑だと思います。
羽兼直行『多肉植物 エケベリア 原種とハイブリット1000種』
多肉植物エケベリア 原種とハイブリッド1000種 [ 羽兼直行 ] 価格:2,530円 |
執筆はサボテン相談室の羽兼さんです。執筆協力者には二和園さんの向山さん、中里リンゼアナの中里さん、おらいさんなどのEcheveria japanの方々をはじめ、ICNのマリグリットさん、ドイツのケーレスさん、スペインのゴンザレスさんなど羽兼さんのワールドワイドなネットワークに感服してしまいます。
http://www.echeveria-japan.com/
https://www.facebook.com/groups/827050224735442/
初版発行は2016年。確か第3刷の2019年に写真や記述が一部改訂されていたように思います(第2刷かもしれませんm(__)m)。もしかしたら改訂前のものが販売されているかもしれませんので(改訂版の見分け方の一例としてアガボイデスのロメオのところを見ていただくと、改訂版はロメオとロメオルビンの写真が並列で掲載されています。改定前は薄めの色のロメオだけでした)、一番確かなのはサボテン相談室さんのネットショップで購入されると間違いないかもしれません。しかも、サボテン相談室のネットショップで購入すると羽兼さんのサイン付きです(*´Д`)!
個人的には松岡さんのエケベリア本のように、最初に原種を取り扱い、後半にハイブリットを掲載するように区分してもらった方が分かりやすいかなーとも思いますが、学名のアルファベット順に掲載されていて検索もしやすいです。本の末尾の索引も学名索引のほか、和名などからも調べることができるので検索性もばっちりです。
現時点においてエケベリアを一番網羅している図鑑です。
昨今の交配種ブームの影響により毎年ものすごい勢いで新たな交配種が誕生しており、正直これらすべてを追いかけていくこと自体もう無理な話だと思います。そして、今後、これ以上の網羅性のある図鑑を作ることもなかなか困難なのではないかと思います。
そうしたことを考えると、価格は多少高くなっても、この本をさらにパワーアップしていただくこと、大幅な加筆を加えた改訂を是非とも期待したいです。ただ、難しいのはどの品種を掲載するか否かという取捨選択だと思います……。一時的なブームではなく、本当に優れたハイブリット種をぜひ紹介してほしいなあと、一読者として思います。
羽兼さんのはしがきには、本書の内容には不適切、不確実な部分もあるかもしれないとされ、本書の出版を契機に議論を促したいとあります。
僭越ながら、私の好きなアガボイデス分野についていえば、以下の点で私は羽兼さんの意見と異なります。
・東雲が agavoides corderoyi なのではないか。
・相生傘が agavoides Prolifera なのではないか。
・魅惑の宵の学名は agavoides Red Edgeでよく、Multifidaとは別種ではないか。
・Sirius の写真は正しいか。
・テキーラサンライズの作出者は富澤さんではなく長谷川さんなのではないか。もしくは二人の作出ではないか。
などなど。
なんだかやたら長文で、真面目か!って記事になっちゃった(;´Д`)m(__)m
少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです(*´▽`*)
毎日眺めても楽しいエケベリア好きにはたまらない図鑑です。是非とも本屋さんでペラペラめくって覗いてみてください!買ってしまうと思いますよー。
多肉植物エケベリア 原種とハイブリッド1000種 [ 羽兼直行 ] 価格:2,530円 |