久しぶりのシリーズ【エケベリア紹介】です。4カ月ぶりくらいになってしまいました。実はこの間、エケベリア一辺倒だった私が、アロエに、そしてアガベに夢中になってしまい……メルカリでの出品を始めたりと……言い訳はこの辺にしておきましょう!
さて、今日の特集ですが、花うららです。一般に、学名は、プリドニスpulidonisとされています。数多くの交配親に採用され、育てやすく、しかもかわいいという最強の普及種・一般種と言われています。
私のなかでも、エケベリアのなかのエケベリアだと思います。エケベリアは花うららで始まり、花うららで終わるといっても過言ではないのではないでしょうか(*´Д`)
……なのですが、この花うらら、生産者さんによってもかなり顏違いがあります。お名前もいろいろありますよね。花うらら、ダルマ花うらら、プリドニス……etc...ということで今回は、花うららについて自分の勉強もかねてまとめておきたいと思います。
とりあえずプリドニス系のものを集めてみました。プリドニス交配のプレリンゼも入っていますがこれは後で比較するためですので、あしからず。
さて、今回は、まずビスタ(タナベナーセリー)さんのものでご紹介しましょう。
ビスタさんでは、花うらら、春うらら、プリドニスの3種が販売されています。
ここであれー??って思った皆さん、そうなんです。花うららとプリドニスって同じものなんじゃないの~っていう疑問です。図鑑とか見ても、花うららの学名がプリドニスpulidonisとされていますし。ただですね、厳密には同じものではないと私も思っています。ビスタさんの3種を見比べてみましょう。
花うらら
花うらら(ハナウララ)エケベリア属 多肉植物 9cmポット観葉植物 雑貨 おすすめ インテリア 暮らし 室内 植物 育て方 サボテン 多肉 価格:700円 |
プリドニス
プリドニス エケベリア属 多肉植物 9cmポット観葉植物 雑貨 おすすめ インテリア 暮らし 室内 植物 育て方 サボテン 多肉 価格:700円 |
春うらら
春うらら エケベリア属 多肉植物 9cmポット観葉植物 雑貨 おすすめ インテリア 暮らし 室内 植物 育て方 サボテン 多肉 価格:900円 |
見ていただいてわかるのは、プリドニスは縁どりが薄く色づきますが、花うららほど葉裏が紅葉はしていません。葉厚もプリドニスの方が薄い感じです。なんとなくプリドニスはあっさりしている感じなのです。一方、春うららですが、花うららに比べてかなり肉厚で葉も丸い感じです。一説によれば、ダルマ花うららが春うららだとする説もあるようですが、詳細にはついては不明です。春うららについては、錦玉園さんの苗を探していたのですが、どうも出会う機会がなく、今回、ビスタさんで見つけて購入させていただきました。
花うららの歴史を振り返ると、日本に花うららなるものが渡来したのが、平尾さんのお話では1965年頃、相府蓮や静夜などとともにやってきたとされていました。この当時にプリドニスの和名として花うららが名付けられたのではないかと思われます。
brooklynlifehack.hatenablog.com
日本への導入からもう半世紀以上が過ぎており、いまではいろいろな生産者さんから花うららを入手できますが、日本に渡来した当時のプリドニスのクローンというよりかは、日本独自に日本ならではの形に変化・進化していったものと考える方がよさそうです。現に、花うららはとても強健で育てやすいですが、プリドニスはそこまでの強さはないように感じています。
他の生産者さんの花うららも少し見ておきましょう。
渥美園芸さん
カクトロコさんと今井カクタスさん
吉原ガーデンさん
最近、私が個人的に注目している生産者さん(お名前を存じ上げず失礼します)
brooklynlifehack.hatenablog.com
生産者さんによっても本当にいろいろです。原種プリドニスとはどんな感じなのか。図鑑や海外サイトで確認することもできますが、少しヒントになるのはブロメリアギフさんのプリドニスです。なぜなら、ブロメリアギフさんはアメリカの多肉生産大手のAltman社との提携により多肉植物を生産しているからです。ということで、ブロメリアギフさんのプリドニスは、アメリカでプリドニスとして認識されているものと考えてよいと思います。ということでこちら。
やっぱり縁がうっすらとした感じであっさりしていますよね、葉厚はそこそこあるけど……。 これが原種プリドニスの本来の姿に近いのではないかと思われます。
価格:700円 |
ということで、私は、花うららとプリドニスは区別した方がよいのではと思っています。
最後に春うららについても一言だけ。
花うららと春うららの区別はなかなか難しいですよね。ビスタさんのは比較的特徴が出ている気がしますが、羽兼さんの本にもあるように花うららにきわめて似ているものも多いです。たとえばこちら。多肉界の重鎮・茨城のカクタスブライトさんで購入したもの。私は春うららだと思ったんですけど、ラベルは花うららでした。
また、栽培環境によって、花うららの葉も少し青みをもつことがあることも余計にわからなくなってしまう一因です。葉に少し青みを持つと今度はプレリンゼにそっくりになってくるからです。プレリンゼはプリドニスとリンゼアナの交配とされています。もっとも、大型のプレリンゼが春うららとする説もあるようです。ますます混迷。
おらいさんのプレリンゼと加瀬ナーセリーさんのプレリンゼ
最後の最後に、もう一つだけ。昔からペシルダという品種もあります。最近はあまり見かけませんが、これはきわめてプリドニスに近い感じです。
……とまあ、このようによく分からないことだらけなことが、多肉・エケベリアの面白いところであり、また難しいところでもあります。
もう少しわかりやすく書こうと思ったのですが、分からないものを分かりやすくもかけないのでこの辺で断念。ただ、花うらら=プリドニスではなさそうということが今回の主眼でした。あくまでも私の私見ですので、ご参考程度に。
(追記)メキシコポルデンシスなる品種、皆さん詳細についてご存じですか?
ポルデンシスなる品種もあるのかよくわからないのですが、おそらく「メキシコポルデンシス」なる品種は韓国由来のものではないかと思います。そしてこのポルデンシス、もしかしたらプリドニスなんじゃないかと思うのです。誰かの書き間違い?読み間違い?……そもそもプリドニスの原産はもちろんメキシコなのでわざわざメキシコを名乗る必要はないと思いますし、もしかするとプリドニスグリーンフォームと呼ばれるものと同じなのではないかとも思うのです。あくまでも私の推測でして、これまたよく分かりません…(^-^;