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【多肉本紹介 4】ちょっと古いけど定評のある! 平尾 = 児玉 『サボテン・多肉植物ポケット事典』

多肉本紹介シリーズ第4弾

今回は、平尾博=児玉永吉『サボテン・多肉植物ポケット事典』です。

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総ページ382頁でサボテン約500種・多肉植物約500種をこのサイズでまとめたコンパクトでハイテクな図鑑であります(*´Д`)

発行年は1999年12月ですので、20年以上前の図鑑でして、内容としてはちょっと古くなってしまった感もありますが、サボテンの平尾さん、多肉植物の児玉さんをはじめとする豪華執筆陣でありまして、信頼性の高い図鑑だと思います(やや疑問がある部分もありますが…)。昔からある有名な品種はほぼほぼ網羅されているのではないでしょうか。

発行年が古いという点は逆にメリットになる部分もあります。昨今、商業的なネーム付けも多く、いろいろな品種がいろんな名前で販売されてしまったりと混沌とするなかで、きちんとした名前を調べることができるという側面もあります。

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この本の特徴はなんといっても品種の掲載順にとてもオリジナリティーがあるというところです。サボテンですと、最初に「花の美しいサボテン」としてエキノケレウスから始まりマミラリア……、「刺が見どころのサボテン」、「姿、形が見どころのサボテン」……と続きます。

蝦サボが好きな私はもう最初から釘付けであります。エキノケレウスだけで29種掲載されており、和名の付いた代表的なものは網羅されていると思います。エキノケレウス好きの私もこれだけ掲載されていればひとまず十分です(*´Д`)

サボテンについてもっと専門的に調べたいという方は、グランカクタス佐藤さんの『原色サボテン事典』ということになると思います。こちらはサボテンだけの事典ですが、約3000種の掲載がありまして、エキノケレウスだけでも約130種くらい掲載されています( ゚Д゚)!!

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多肉植物であれば「色彩、模様を楽しむ多肉植物」から「根、茎の肥大種」、「華美な斑入り種」……と続きます。

このように特徴的なカテゴリーに分類した掲載順で、学名のアルファベット順や和名の50音順ではない点でやや調べにくいという評価もあるかもしれませんが、本の末尾には園芸名・和名索引と学名索引もあるため私はあまり気になりません。

この本でよく引用される部分ではありますが、少し書いておこうと思います。

エケベリアの静夜に関する記述についてです。いわゆる「ガチの『静夜』」です。マニアの中では本書186頁の静夜こそが、本来の静夜であるとされています。比較的大きく育ち、コロンと丸くまとまり、葉先の縁が紅く染まるこの静夜こそが、昔からある本物なのだ、と。なので、この静夜を、旧来型とか、ガチとか、ダルマなどとも呼ばれていたりもします( *´艸`) でもこの辺も現状はかなり混在してしまっています。

現在、一般に広く流通しているのは、錦玉園さんが命名した名前では「静夜の宴(えん)」と呼ばれるデレンベルギーです(おそらく交配種だろうと言われていたかと思います)。以前は、大型静夜と呼んでいたようですが、むしろガチの静夜の方が大きくなることもあり名前が適切ではないということで「静夜の宴」としたと聞いたことがあります。現在このように静夜と静夜の宴を区別しているのは錦玉園さんくらいです(ボタニカルマートさんもデレンベルギー旧来型って販売してたかもです)。

このように古い本でも、昔からある品種をきちんと調べるときには一助になることもあるよーという参考例でした(^^)/ NHK出版の園芸部門でも非常に売れた本だと聞いたことがあります。もしよかったら読んでみてください!

サボテン・多肉植物ポケット事典 サボテン約500種、多肉植物約500種を学名、栽培 [ 平尾博 ]

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