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アガベを勉強中! アガベ ナンバーワン 農大 巌流 厳竜 白鯨 姫厳竜とは? チタノタ と オテロイ ?

2021年に入ってから、エケベリア一筋だった私に変化が生じました。多肉の興味関心がアガベに移ってきました。

アガベを始めた頃は吉祥冠系がいいなあと思い、スーパークラウンの斑入り姿に一目ぼれして毎日探していましたが、最近になってチタノタ系もカッコいいなあ……と。

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昨今の多肉ブームも以前に比べたら少しは落ち着いてきたのかなーという感じもありますが、アガベについてはまだまだ人気がありますし、まだまだ価格は高いですし、最近は台湾をはじめとするかなりのベアルート株が輸入され、正直なんだかよく分からないことも多く、かなり混沌としている状況のようにも思います。

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名前なんて関係ない、カッコよければいいし、育て方次第でかなり姿も変わってきてしまうものだからこそ、作り方を重視すべきだという意見も全くその通りだと思います。

ただそうではあるのですが、昔から日本にあるもの、従来から親しみ育ててこられたアガベに何とも言えない魅力を感じてしまう自分もいます。名前で選ぼうとしているのではないのだけれども、やっぱりその名前にブランドみたいな価値があるものもあるのかなあって思います。私の中ではそれが、アガベ・ナンバーワンなのです。

 

ということで、前書きが長くなりましたが、アガベ・ナンバーワンについてこれまでに出版された文献やネットでの情報を集めて勉強してみました。参考にさせていただいた文献、ブログ記事なども含む執筆者の皆さん、そして、アガベを栽培されている諸先輩方のご教示に感謝申し上げますm(__)m  現状、ナンバーワンをめぐる情報は皆さんがご存じの通り、時の経過も重なり、かなり錯綜していています。

以下、私なりの整理ですので、参考程度にお願いします。何かお気づきの点や間違い等があればご指摘いただけると嬉しいです。

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ちなみに、上記の3つはアガベ収集を始めた当方が最近入手したナンバーワン系のアガベです。まだまだ幼苗ですし、特徴もこれからだと思いますが、入手時の名前でご紹介すると、左上から「巌流(がんりゅう)」、真ん中「チタノタ ナンバーワン」、右上「titanota ‘No.1’」です。いずれも国産アガベで、巌流はたまたまいつも行くホームセンターのガーデンセンターで1つだけ販売されていたもの、真ん中は長年多肉植物を栽培している趣味家さんから入手したもの、右上がレアな多肉植物も幅広く取り扱う生産者さんから入手したものです。栽培環境や栽培条件の差か、はたまた根詰まりか肥料不足なのか、葉色や刺の感じが多少異なりますが、はたしてこれらが本当にナンバーワンなのか、みんな同じものなのか、それとも明確な差異が生じてくるのか……これから楽しみながらじっくり育てていきたいと思います!

 

それでは本題へ。一緒にアガベ・ナンバーワンを勉強しましょう!

まずは、ナンバーワンの由来・由緒からですが……。

東京農業大学の展示温室である農大バイオリウムには「農大育種学研究所(現:一般財団法人進化生物学研究所)がメキシコから日本に最初に導入したことからその名がある」というのがナンバーワンにつけられている樹名板の解説です。

一般財団法人 進化生物学研究所 

農大名誉教授だった故・近藤典生博士(1915-1997)が導入したと一般には言われています。ちなみに、農大バイオリウムの樹名板には「農大ナンバーワン」と表記され、所蔵植物リストには「ナンバーワン agave titanota」とだけ表記されています。なお、この農大バイオリウムに展示されている株自体も導入当初の株ではないようです。

また、近藤博士が指導・監修をつとめられた伊豆シャボテン動物公園にも標本ともいえるナンバーワンの株があるようです。伊豆シャボテン動物公園の樹名板には「ゲンリュウ  厳竜 Agave titanota 'No.1'」と表記されているそうです。

あれ??けわしいながれの「巌流(ガンリュウ)」ではなく、きびしいりゅうの「厳竜(ゲンリュウ)」なの??ってこれまた混乱をきたしますよね。単に漢字違いなのか、本当に同じものなのか……。

伊豆高原のふれあい動物園 伊豆シャボテン動物公園|伊豆シャボテン動物公園グループ

これら2か所のいわば標本株ともいえるナンバーワンを見た方は正直びっくりすると思います。それは大きく成長したナンバーワンは、葉が細長く伸び、葉厚も薄くなって、刺もあまり厳つくはないということ……(^-^; チタノタ系などのアガベは、大きくなるとその個性、特徴が薄れてきてしまうという事実です。 

 

まあ、それはさておき、農大バイオリウムの樹名板の解説とは異なる説もあります。

1つは、あくまで農大の管理番号にすぎず、農大が一番最初に導入したアガベとして第1番の整理番号をつけたとする説、もう1つは、国際多肉植物協会の小林会長が農大に入ってきた素晴らしいアガベの小さなカキコを譲り受けてこれをナンバーワンと名付けたとする説、それに似ていますが、日本へ導入した当時その容姿がアガベのなかで一番よかったとする説などです。

日本への導入時期がいつだったのか正確な情報は見つかりませんでした。これが実は一番重要な情報で、これが分かればナンバーワンという命名の由来も分かるような気がするんですけどね……(^-^;  ちなみに、ISIJの2018年11月?のニュースレターには、「50年程前に東京農大の近藤典生教授がメキシコで見つけ導入した」との記載があるようです。もしそれが本当だとすれば導入は1970年代頃ということになりますね。当方、ISIJ会員ではないので当該記事が読めませんが……。

 

ちなみに、titanota とは、アガベの世界的権威だったアメリカの植物学者 Howard Scott Gentry Ph.D.(1903-1993)が、1967年にテペルメメ・ビージャ・デ・モレロスのランチョ・タンバーの山の近くで発見収集した個体を、1982年に『Agaves of Continental North America』(University of Arizona Press, 1982)で発表し名付けたものだそうです。Gentry が発表したこの titanota という個体は、葉色が青白く、刺もやや控えめなアガベで、現在でいうところの 'Rancho Tambor'、 titanota 'Blue' 、アズールなどと呼ばれるものを指していました(このことが近年の種名変更の話につながってきます)。

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ちなみに、この『Agaves of Continental North America』は、Gentry が25年にも及ぶアガベ研究の成果をまとめた不朽の名著で、アガベの聖書とも呼ばれているらしいです。

 

かたや一方で、Gentry の titanota 発表から2年後の1984年、植物収集家であるメキシコの Felipe Otero 氏(1935 ?- )が、おそらく1970年代に、オアハカ州シエラミクステカで収集した種子から流通させたアガベで 'FO 76 Sierra mixteca’、'Felipe Otero' 、ヴェルデ などと呼ばれていたアガベを、誰かが titanota と種名を付して流通させ、これが世界中に広がってしまったという話らしいのです(^-^;  緑色で短葉で厳つい刺を持つこの Sierra mixteca が、アガベファンの支持を受けて広く普及したため、これこそが titanota として認識されるようになってしまったそうです。他方で、Gentry の Rancho Tambor が本来の titanota であるということは忘れられてしまったらしいのです。

 

こうした海外での titanota をめぐる認識が、国内にも浸透し始めたのが2000年代初頭ということになりそうです。 

少し古い本ですが国内で定評のある多肉辞典である平尾=児玉編『サボテン・多肉植物ポケット事典』(NHK出版,1999)295頁では、アガベ 'No.1'(ナンバーワン)別名:仁王冠(ニオウカン)、巌流(ガンリュウ)学名:Agave sp. 'No.1' と表記しています。このことからも、国内では2000年頃までは、種名はいまだ不明で、sp.ナンバーワンと呼ばれていたものと思われます。

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ところが、その5年後の2004年発行の国際多肉植物協会編『多肉植物写真集』(河出書房新社,2004)には、Agave titanota ナンバーワン と表記されています。このことから国内では、2000年以降にはナンバーワンが Sierra mixteca 系統の種であり、その種名が titanota であると認識され始めていたことがが分かります。

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もっとも、こうした titanota をめぐる状況に疑問を感じていた人もいたようです。ニューメキシコ州の有名な多肉植物ナーセリーMesa Garden の Steven Brack 氏は、植物探検家・シードハンターとして家を持たずに1年中世界中を飛び回っているアメリカ人 Joseph Simcox 氏にランチョ・タンバー周辺の調査を依頼し、2004年にGentry の titanota を再発見しています。また、アガベを専門とする多肉植物ナーセリーのオーナーである Greg Starr 氏、共同研究者のTristan Davis 氏などもその一人です。

starr-nursery.com

特に、Greg Starr氏とTristan Davis 氏のお二人は2つのチタノタが完全に区別されるべきであることを長年にわたり強力に主張していたこともあり、彼らの共同論文が、2019年6月、Cactus & Succulent Society of America (CSSA)によって正式に認めれられ、アガベの新種としてオテロイが誕生しました。ということで、Gentry の titanota 、Otero の oteroi に種名が区別されることになりました。

 

……ということはですね、これまで「チタノタ ナンバーワン」などと呼んでいたいわゆるナンバーワン系統のアガベは、おそらくオテロイの方に分類されることになりますから、「オテロイ ナンバーワン」ということになりそうですが、これはなんだかチタノタとして馴染んできた人からすれば、うーーーん(^-^;という感じですよね。国内では「農大ナンバーワン」とか「白鯨」とか呼ばれるアガベは、もう固有の名称、栽培品種・園芸品種の扱いになっていると思いますので、単に、「アガベ 農大ナンバーワン」「アガベ 白鯨」のような呼び名で私はいいと思うんですけどね~。

 

なんだかモヤモヤとしてしまいますが、チタノタとオテロイの話はこの辺で終わりにしまして、さらにモヤモヤする話に進めたいと思います……(^-^; まだ続けるのかって感じですが、よろしかったらお付き合いくださいm(__)m

 

この辺から情報が錯綜していて本当によく分からないのです。まず、私の素朴な疑問をいくつか挙げてみたいと思います。もしご存じの方はぜひご教示をお願いしたいと思いますm(__)m

 

皆さんどのように理解していますか?

①ナンバーワンと農大ナンバーワンは同じものか。

②ナンバーワンと巌流は同じものなのか。農大巌流っていうのは??

③巌流と厳竜は同じものなのか。

④台湾から最近大量に渡来している姫厳竜とはなにか。

⑤ナンバーワン(白刺)と白鯨の差異はなにか。

⑥小島ナンバーワンないし小島白鯨と呼ばれているのはなにか。

⑦江隈(えくま)白鯨と呼ばれているものはなにか。

etc.....この他にもいろいろありますが、とりあえずこのあたりを……(^-^;

 

①の点については錦玉園さんで話を伺ったという方からの又聞きで恐縮なんですが、錦玉園さんでは、農大ナンバーワンとナンバーワンは区別されているそうです。皆さんのSNSなどでもよく見かけるアガベは、単にNo.1と表記された錦玉園さんラベルが多いですが、なかには農大No.1と表記されたものも稀にですが見かけたことがあります。

錦玉園さんの農大ナンバーワンは、先代(上記に挙げたポケット事典編者の永吉さん)が農大の近藤博士から直接譲り受けたものを維持しているとのことですので、正真正銘の農大ナンバーワンと呼ばれるものだと思います。

児玉さんの話では、チタノタ No.1は、農大の近藤教授がチタノタから選抜した一番良い個体に名付けたものであり、本来はチタノタNo.1が、農大ナンバーワンを指すそうです。しかし、そのうち農大ナンバーワンに似た個体をナンバーワンとして販売する業者が出現して広く出回ってしまったらしいです。こちらは棘(鋸歯のことかな?)が細いことなど明らかに違う個体のようですが、業者によっては区別することなく流通させたことから現在では混在してしまっているというお話でした。

 

また、先輩から伺った話では、今はなき臼田清花園さんにあった農大ナンバーワンは、臼田さんと同郷で親しくされていた当時農大でアガベを管理していた学生さんが農大ナンバーワンのカキコをもってきてくれたと臼田さんはおっしゃっていたそうです。ということで臼田清花園さんにあったナンバーワンも農大ナンバーワンの直系のものだったと思われます。

 

2021/09/26 更新  一部文章を修正のうえ、画像等を添付しました。

 

最近出版された鶴仙園の鶴岡さんのアガベ本、おススメです。ただいま勉強中です。

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なかなか続きの更新ができておらず申し訳ないです(^-^;  のんびり気長に書いていきますので、皆さんも気長にお待ちくださいm(__)m

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